WEBサイト制作後の、「運営に関する費用」について、解説します。 この記事を読むことで、以下のことがわかります。
✅運営費用には何が掛かっているかがわかる ✅サーバー、SSL証明書の選び方がわかる ✅運営に関わる費用相場がわかる ✅運用費用を抑えるコツがわかる
現在サイト運営担当の方、これからWEB担当になった方にとって役立つ情報となるでしょう。
WEBサイト運営にかかる主な費用
WEBサイトを運営する上で、様々な費用が発生します。ここでは、主な費用項目とその概要について詳しく説明します。 大きく6つに分類されます。
・サーバー費用 ・ドメイン費用 ・SSL証明書費用 ・セキュリティ対策費用 ・バックアップ費用 ・保守運用費用
1つずつ解説していきましょう。
サーバー費用
サーバーは、WEBサイトのデータを保存し、インターネット上に公開したりするために必要です。 メール送受信の役割も与えられます。 サーバーの種類や性能によって費用は大きく異なります。
大きく3種類の区分に分けられます。
サーバータイプ | 月額費用(目安) | 特徴 |
---|---|---|
レンタルサーバー | 1,000円程度 | 低コスト、管理が簡単 |
専用サーバー | 20,000円程度(レンタルの場合) | 高性能、カスタマイズ性が高い |
クラウドサーバー | 5,000円程度 | 柔軟な拡張性、高可用性 |
出典:shopify「レンタルサーバー費用相場:レンタルサーバー料金の比較」
レンタルサーバー
安価でかつ、スピーディにWEBサイトが開設できるためよく使われており、さくらインターネット、Xserver、ロリポップなどが有名です。 運用するサーバーで最も安価な方法です。
サーバーには色々な種類がありますが、高機能サイトではないコーポレートサイトなどの一般的なサイトを運用する場合にはレンタルサーバーで十分足りることが多いです。 個人ブログから一般的なコーポレートサイト、メディアサイトまで幅広く対応でき、最も使われています。ネット上に情報量が多く、万が一のトラブル対応も公式サポートが充実しているので問題解決もしやすくおすすめです。
弊社のお客様でも、共有サーバーは安価なランニングコストと使い勝手の良さからよく選ばれております。
専用サーバー
専用サーバーとはサーバーとして使うためのコンピューターを購入し、必要なものをインストールし自分で建てたサーバーのことを言います。(レンタルの専用サーバーもあります。)
基本的に自由にカスタマイズできる点がメリットとして挙げられます。また、サーバーに何か問題が発生した際に即座に対応できるため、IT企業の中には自社でサーバーを管理する企業も多いです。
1台のサーバーを独占使用するため、高性能で安定性が高いですが、費用も高くなります。大規模なECサイトや高トラフィックのサイトに適しています。
ただし、初期費用の敷居の高さや運用コストが高く、専門的な知識や技術が必要となるため経験者でないと高いハードルとなるでしょう。
クラウドサーバー
複数のサーバーを使用して負荷分散を行うため、高い拡張性と柔軟性があります。トラフィックの変動が大きいサイトに適しています。有名なところですと、Amazon Web Services(略称:AWS)やMicrosoft Azure(略称:Azure)、Google Cloud Platform(略称:GCP)などが挙げられます。
リソースの増減が容易で、必要に応じて迅速にスケールアップ・ダウンができるのが特徴です。大手プロバイダーが提供するサービスが多く、信頼性も高いです。ただし、コスト管理には注意が必要で、従量課金性なので使用量に応じて料金が変動します。
また、専門知識も必要とするため、こちらもサーバー構築や運用の初心者には負担が大きくなるでしょう。
ドメイン費用
ドメインはWEBサイトのアドレスとなる重要な要素で、年間の維持費用が必要です。 弊社サイトの場合、「https://kotobukilab.com/」の中の「kotobukilab.com」の部分にあたります。 一般的な.comや.netドメインの場合、年間1,000円〜3,000円程度です。
ドメイン取得時の注意点
- 希少性の高いドメインは高額になる場合があります
- 更新を忘れるとドメインを失う可能性があるため、自動更新設定を推奨してます。
- 複数年一括での契約で割引が適用される場合があります。基本的には1年契約がバランスが良くオススメです。
SSL証明書費用
SSL証明書は、WEBサイトとユーザー間の通信を暗号化し、セキュリティを確保するために必要です。 ※SSLが発行されるとURL「https://」の「s」の部分が付与されます。 SSL化されていない状態(「http://」のように「s」が抜けている状態)だとサイト自体の信頼性が下がりますので、確実に発行しましょう。
SSLについてより詳しく知りたい方はJPNICのこちらの記事をご確認ください。
SSL証明書の種類と費用
種類 | 月額費用(目安) | サービス名一例 |
---|---|---|
ドメイン認証(DV) | 無料〜年間35,000円程度 | Let’s Encrypt クイック認証SSL |
企業認証(OV) | 年間60,000円程度 | 企業認証SSL |
拡張認証(EV) | 年間130,000円程度 | EV SSL |
出典:docomo business「SSL証明書とは? 発行の仕組みと種類」
Let’s Encryptなどの無料SSL証明書を利用することで、コストを抑えることも可能です。 さくらインターネットなどのレンタルサーバーであればLet’s Encryptをそのまま設定できます。
Let’s Encryptについてより詳しく知りたい方は以下の記事をご確認ください。 さくらのレンタルサーバ「さくらのレンタルサーバなら簡単設定!無料SSLサーバー証明書 Let’s Encryptとは?」
セキュリティ対策費用
WEBサイトを安全に運営するのであれば、定期的なセキュリティチェックなどが必要です。無料でできることから、有料でできることまで、費用については範囲が広いです。 Panasonicによると、中小企業のサイバーセキュリティを行う場合は、年間50~100万円程度が費用相場です。 セキュリティ対策を軽視し放置するとサイトがハッキングされたりマルウェア仕込まれたりするリスクが高まります。
特に、個人情報が流出すると会社経営において致命的な状態となる場合があります。 定期的に脆弱性の診断ができるツールもありますので自社が何に重きを置いているかに合わせて導入ください。 無料でできる対応としては、WordPress(ワードプレス)であればログインURLの変更、定期パスワード変更、定期プラグイン更新などがあたります。
弊社では脆弱性チェックをするリソースがないご担当者向けに、定期的なチェックからレポート出力まで自動でできるサービスを提供しております。詳しくは以下をご確認ください。
バックアップ費用
定期的なデータバックアップにより、万が一の際のデータ損失を防ぎます。 レンタルサーバーであれば自動バックアップ機能がデフォルトでついているのでそれを使うのも選択肢の1つです。 ロリポップの場合、月額330円ほどかかりますがデータ損失の保険と考えたらという破格的な安さです。 例えばWordPressであれば、なんらかの要因でログインできなくなったとしても、とある時期のバージョンにワンクリックで復旧することもできます。 バックアップタイミングとして、弊社ではバックアップは定期的なものとプラグインの更新前、WordPress本体更新前によく行います。
保守運用費用
システムアップデート
CMSやプラグインなどのシステムアップデートを定期的に行う必要があります。
理由としては様々ですが大きく挙げられるのは、脆弱性対応によるアップデートです。 身近なところですとiphoneでも定期的にセキュリティアップデートを行なってますね。
調べながら個人で行うことも可能ですが注意点として、WordPressであれば本体やプラグイン更新の際にサイトが崩れる場合があります。 これは、WordPressのテーマやプラグイン同士のバッティングが主な要因です。
この更新を安全に行うためにはサイトが崩れる前に定期的に保守・運用として専門家に外注した方がより安全です。
保守・運用費用は、サイトの規模や更新頻度によって大きく異なりますが、月額10,000円〜100,000円程度を見込むのが一般的です。
コンテンツ更新
コンテンツ更新費用とは、WEBサイトに掲載したコンテンツを定期的に更新するために必要な費用のことを言います。 例えば、ニュースなどの文章の更新、画像の差し替え、デザインの変更などを含みます。 単発での依頼や保守の中で対応するなど、形態は様々です。
対応費用はサイトの制作会社によって料金体系が異なっており、1ページにつき数千円という料金プランや、月に回までであれば数万円といった料金プランなどさまざまです。 時間単位で課金されるプランを設けている場合もあります。
サイトを維持するための費用の相場
ジンドゥーによるとホームページの管理費は、月額1万〜5万円程度が相場です。 ボリュームゾーンでいうと、月額1万円~2万円がメインとなります。
ただし、制作会社によって対応範囲、更新頻度がかわります。

出典:ジンドゥー「ホームページ管理費の相場は?サーバー代や更新費の目安を徹底解説」
費用を抑えるコツ
WEBサイトの運営費用を抑えるためのコツをいくつか紹介します。これらの方法を適切に組み合わせることで、コストを抑えながらも質の高いWEBサイト運営が可能になります。
サーバー・ドメインは自社で契約する
サーバー・ドメインは自社で契約するように致しましょう。 設定や運用を依頼する場合でも、契約は自社で行うのが賢明です。
ただし、制作会社によっては制作会社が契約しているサーバーでホームページを運用し、更新作業費と維持管理費をまとめているケースがあります。この場合、維持管理費の支払いをやめるとホームページが表示されなくなってしまうことがあるでしょう。
また、ホームページの管理を他の会社に乗り換えるのが難しくなり、サーバー移転のための追加料金が発生してしまうこともあります。このような事態を防ぐため、サーバー・ドメインは自社で契約することをおすすめします。
自社で管理・運用できる環境にする
ホームページを自社で管理・運用できるようになると、外部の制作会社に支払う管理費や更新費を削減できます。
例えば、文章や写真、画像の差し替えといった簡単な作業は自社で対応できるようになるかもしれません。複雑な更新が必要な場合だけ外部に依頼すればよいので、その分のコストを抑えられます。
自社で管理・運用できる環境を整えるためには、ホームページの制作を依頼する際にWordPressなどのCMSを利用して制作してもらうのがおすすめです。WordPressを使用すれば、専門知識がなくても直感的にコンテンツの更新が行えます。
更新頻度にあわせて料金プランを決める
ホームページの更新費用は、更新頻度に応じて適切なプランを選択することが重要です。一般的に、月額制と都度払い制の2つの選択肢があります。
月額制は、更新回数に関わらず毎月一定の料金が発生します。このプランは、更新頻度が高い場合にコスト効率が良くなります。一方で、更新がほとんどない月でも同じ費用を支払う必要があるため、注意が必要です。
都度払い制は、更新が必要な時のみ費用が発生します。月に1回程度、あるいはそれ以下の更新頻度の場合は、この方法がより経済的である可能性が高いです。
したがって、自社のホームページ更新ニーズを正確に把握し、それに最適な料金プランを選択することが賢明です。
また、同じサービス内容でも、制作会社によって料金設定が異なることがあります。複数の会社から見積もりを取得し、比較検討することで、コストパフォーマンスの高い選択ができるでしょう。最終的に、自社のニーズと予算に最も適した制作会社を選ぶことが重要です。
まとめ
WEBサイト運営には、サーバー費用、ドメイン費用、SSL証明書費用、保守・運用費用、コンテンツ更新費用など、様々な経費がかかります。費用を抑えるコツとしては、さくらインターネットやエックスサーバーなどのレンタルサーバーを利用したり、Let’s Encryptなどの無料SSLを活用したり、可能な範囲で自社での保守・運用を行うことが挙げられます。
ただし、コストを下げることばかりに目がいってしまうとセキュリティ対策を軽視して重大な情報漏洩などのトラブルが発生すれば、その損失は運用コストを大きく上回る可能性があります。したがって、適切な予算配分と継続的な対策実施が、安全かつ効率的なWEBサイト運営の鍵となります。